カイエ

ا 自分とそれ以外(以下、世界と表記する)は関心の糸だけで結ばれている。すべてに無関心になると生きている実感はもはや沸かない。ひたすら無為な時間を過ごす以外に為すすべはなく、底なしの虚無感のほか何ものも見いだすことができない。 関心の強度で生…

日記の書き方がわからない

死体を読むと僅かばかりの物語が溢れる。もうどうなってもいいのかもなという気分を離さないようにしてベッドに寝転ぶ。世界には結局何が生きているのだろう。孤独な部屋にうさぎコウモリが慎ましやかに飛んでいる。あいつとぼくを結ぶと部屋の対角線ができ…

ピアスを開けた話

意味もドラマもないけれどまたピアスを開けた。10代のとき以来だ。当時は耳、唇、舌ぜんぶで6つほど開いていて、就職したタイミングで舌以外のぜんぶを外した。残ったセンタータンはずっと開いたままだった。ピアスをまた開けようという気持ちはそれ以来ず…

暴露、あるいは欲望の囚人による毒矢

以下はそにっくなーす氏の『暴露』という日記文学に触れて瞬間的に自動筆記した文章である。昨年11月の文学フリマにて購入し読み終わる前に突発的に出来上がったものであったため読み終えた後に何かしら客観的なわかりやすさを施す予定だったのだが、氏の輝…

貯金をすることにした。そのためにまた労働を始めた。社会的な意味合いは無視することにした。これはぼくがぼくとして生きるために必要なものを集めるための労働だ。ぼくの関心に制限をかけないための労働だ。自由を欲するときに人は不自由であるのだ。自分…

意味について

加藤郁乎が牧歌メロンのあとがきで「意味なんかどうだっていいのである」と言っていた。2013年にそれを見て以来、無意味への階段を踏み外しつつ生きてきたわけだが、この辺でもう一度意味について検めることにする。 本来すべてが無意味なのだ。意味は自分が…

関係性について

これほどまでに「死にたい」という言葉がありふれている世の中でまだ「おまえはひとりで生きてるとでも思っているのか」などとのたまう人間があるが、ひとりで生きていると思っていない輩が社会を窮屈にしている気がするのはなにもぼくだけではあるまい。人…

黒いユーモア選集 上巻

《知的なユーモアが爆笑に変えてしまうことのできないものは何もない。虚無さえも爆笑に変えてしまう。……笑いは、人間の、放恣にまで至る最も豪奢な浪費の一つとして、虚無とすれすれのところにあり、われわれに担保として虚無を与える》*1 ブルトン編『黒い…

悪の哲学

レフ・シェストフの『悪の哲学』*1がのらねこ本*2だったのでメモ。 この本でロシアの哲学者シェストフは、ドストエフスキーとニーチェが辿ってきた人生や著書を元に彼らの思想を論じている。両名には、人生の前半において一定の成功を収めつつ順調なスタート…

ダダとシュルレアリスム

ダダに興味を持ってすぐにシュルレアリスムとは違うこと*1はすぐにわかったのだけど、ではどう違うのか?という部分をうまく説明できることばを見つけることができずにいた。 きのう、半年ぶりくらいに『ムッシュー・アンチピリンの宣言——ダダ宣言集*2』を読…

なんで生きてるのかわからない人へ

給料の使い道を誰かに教えてもらう? 「人生に目的などない」などと声高に語りたがる物知りの馬鹿どもは自分が生きているということを考えたことがないのだと思う。「人間*1」とかいう現実に存在しない机上の生き物をこねくり回してやっと編み出した「人生に…

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」 八本脚の蝶 作者: 二階堂奥歯 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2006/01 メディア: 単行本 購入: 5人 クリック: 401回 この商品を含むブログ (134件) を見る 一冊だけ挙げるとなるとこれをおいて他には考えられない。…

演劇としての社会

人間の世は演劇です。就職すると分かりやすい。上司と部下。いったん立場が定まってしまったら上司は上司らしく、部下は部下らしく振舞うようになる。スタンフォード監獄実験*1そのままです。被験者に内緒で実験に参加させているようなものです。とんでもな…

すべての書物を読んでしまった

自我は真理以上である。真理は自我の前には何でもない。 このシュティルナーのことばを見た瞬間、憑き物が落ちたように読書という地獄から解放された。二十歳そこそこで読書の味を覚えてから約十年もの間、ほぼ毎日読書に時間を費やしていた。はじめはそうで…

苦悩はすべて猫に弟子入りせよ

我輩は猫の弟子である。名前はまだ捨てきれてない。猫にとって「ない」のはなにも名前だけではない。過去も未来もない。国家も道徳もない。宗教も戦争もない。自分自身の価値などを考えたこともない。「社会の役に立たなければ」だの「誰かに認められなけれ…

ウイルスちゃん

まぶたの裏側をじっと見る。おそらくこれをやったことのある人はそれほどいないのではないかと思う。目を開く。見える。目を閉じる。見えない。本当でしょうか。では目を閉じて太陽を見上げましょう。まぶたの裏側が赤く見えていますね。目を閉じていても見…

走ることにした。気分屋(気分障害のかわいい言い方)なので突然です。就寝に失敗して夜更かししてしまったときのわけのわからないテンションで、「寝て起きたら外を走ろう」などと思いついて電気を消したのが午前4時。それから約一時間が経過した5時過ぎ…

鼻炎かな? と思っていたら風邪っぽくなった。昨晩かぜ薬と鼻炎薬をこれでもかというくらい投与したのだけど効果は感じられない。パブロンを飲むと眠りが浅くなる。そのせいで早く寝たわけでもないのに朝5時に目が覚めてしまった。朝から喉が痛い。そんな時…

朝までの旅人

ぼくはぼくが知っていることだけが世界だと思っている。生まれてから死ぬまでぼくはぼくが経験できることの中でしか生きられない。ぼくはぼくが感じること以外の何物も感じることはできない。当たり前ですが。 天動説が当たり前だった時代の人にしてみれば、…

汝の泥棒を愛せよ

船っていいなあと思う。水の上をぷかぷか揺れている姿のあどけなさ。近くに寄ってこられたらちょっと遠慮するけど、沖の方で小さくなっている姿はいかにも牧歌的で平和そのもの。 船の上にいるニワトリはもっといいなあと思う。いま自分は途方もない海の上に…

ロマンスの神様

どうやったらこの暑さの中で雪女を保護できるだろうか。個人的には夏はわけもなく好きなのだ。だけど思うのは雪女のことである。彼女は生き延びねばならない。巷では夏は怪談の季節ということになっている。科学的根拠だの論理的整合性だのを殊のほか気にす…

神様は見てるよ

植田真梨恵さんのことばかり考えてしまう。いま一番興味のある女性シンガーソングライターです。去年メジャーデビューしたらしい。 シンガーソングライターって好きになる観点がいくつかあって、歌メロだったり歌い方だったり歌詞だったり声だったり。その辺…

クローゼットダーリン

クローゼットに彼氏を入れていけないという決まりはないので、とりあえず入れておく。翌日、洋服を選ぼうとするとそこに彼氏がいて、だけど今日はそういう気分じゃないから一人で出かけることにする。みたいな人が意外と居るのが上流社会なわけですが、土台…

10月60℃説

本日の最高気温30℃(東京)。誰のせいでこんなに暑いのかしらないけれど、「寒いのよりはマシ」というマントラを唱えながら一日を過ごしています。5月で30℃なので10月には60℃くらいになってしまうなと言ったら馬鹿にされるでしょうが、たかだか100年かそこら…

本日のハッピーエンド

ハッピーエンドは毎日やってくる。終わることがハッピーだからだ。恋人ができてハッピーになるのは恋人探しが終わったからだ。内定が出てハッピーになるのは就活が終わったからだ。同じことで憂鬱になるのは社員生活の始まりを見ているからだ。終わりを見な…

難しく考えすぎていたのかもしれない。書きたいことを書ければそれでぼくは満足なんだ。

金子千佳『遅刻者』

金子千佳『遅刻者』*1を読んだ。 二階堂奥歯がかなり好意的に書いていたので、内実もよく知らずに過剰な期待をもって読んだのだけれど、率直に言ってよくわからなかった。ただ一遍、「遅刻届」、これは二階堂奥歯が引用していた詩でもあるのだけれど、これだ…

山尾悠子インタビュー 京都新聞

山尾悠子さんのインタビュー記事*1を発見した。新作があること自体がいまだに奇跡みたいに思えるなか、こうやって彼女のことばが聞けるのはありがたいことです。 「架空世界を描く幻想小説を拒否する編集者もいた。私の小説はSFでは場違いではないか、現代…

メモリ解放

たとえば目の前に置かれた箱ティッシュも見えている面だけが世界の内側であり、見えていない面は世界の外側なのだった。見えていない面はほんとうにあるのか? 見てみなければわからない。見えていないだけだろ無いわけがない、と考えるのは当然の話だが、そ…

クリスタルメメント

いま現代詩手帖に定期的に詩を投稿しているのだけど、投稿しないで残っているものがあるので、投稿しなかったものの保管所としてブログ*1をつくった。 実のところ自分のスタイルがまだよくわかっていないから、それが固まるまでは続けたいなと思っている。 *…

短歌の解説です。

解説を希望されたのでキュバル氏(@16hu_)主催の第11回短詩会に投稿した短歌作品の一つを解説します。まず当該の短歌と選評を。 孤児院に並ぶぼやけたハピネスが古いえいえんのしるしでした 選:これって、冬らしい言葉出してないのに、12月のイメージが出…

過去という悪霊

過ぎたことをくよくよといつまでも悩んでしまうことがある。しかし悩みたくて悩んでいるわけではない。さっき送ったメールの返事がなかなか来ないからって「なにか気に障るようなことを書いてしまったんじゃ」なんて考えてもしょうがないことくらいわかって…

永劫回帰

たまに運命が見えることがある。ずっとその状態を維持できるなら悩むこともないのだろう。たぶん永劫回帰の思想を強烈に自分のものとして感じ続けられればそれは可能なのだと思う。覚えておこう。 じつは簡単な話だった。詩で人生を台無しにしてやろうと決め…

2001年の7月22日は日曜日でした。

躁の終わりにはいつも思い出すことがある。二階堂奥歯のある日の日記の内容だ。*1 あ、終わったんだ。って一瞬思ってしまったらそこからはもうごまかせなくなる。全身を覆い尽くしてしまう。マリオはもう無敵じゃないし、ユミちゃんは発作に見舞われる。ぼく…

洗脳

大森靖子さんのアルバム*1が届いていたので聴いている。タワレコの特典CDをiTunesに取り込んだら「Relaxation CD」とかいうタイトルをつけられてしまったあげくアーティスト名が「David Elam」となっていて何かの間違いかあるいは潜在意識をごにょごにょする…

なにもかもがめちゃくちゃになって過去も未来もなくなったときに「これがぼくの物語だ」って言うんだよ。

下北沢にて'14に行ってきた。

「下北沢にて」とは? このイベントについて説明すると『THEラブ人間が主催、企画、制作まですべて行うライブハウスサーキット型イベント』ってことになります。 「下北沢にて」とは? | 下北沢にて'14 こういうイベントに参加したのは初だった。下北に行っ…

DIAURA「Triangle」を購入した。

今日は雨降りのなか新宿を散歩してきた。ついでにタワーレコードにてDIAURAの3枚目のアルバムを購入した。 アルバムが出ていたのは知っていたのだけど、配信されるかなと思ってあえてCDを買うことはせず暇さえあれば iTunes Store を覗いていた。その甲斐も…

家に帰る

どこにだって行けるはずなのにいつもこの家に帰ってきてしまうそれがしあわせなんだっけ?ひとつわかるのは帰る場所がないことがどことなく不幸せっぽいということそれを避けるためにここに帰る生きるってそれだけのことそれだけのことがかなしい

ベロニカ都登 個展 “Sick the irony”

来年早々ベロニカ都登さんの個展が開かれるようです。少し興味があります。 期間 2015/1/20 - 1/25(全日程入場無料) 場所 The Artcomplex Center of Tokyo(アートコンプレックスセンター) ■東京メトロ丸の内線「四谷三丁目」駅 出口1より徒歩7分■JR総武…

大森靖子の続・実験室を見てきた。

こないだの日曜日、新宿ロフトプラスワンで大森靖子を見てきた。はじめて行く場所だったからびくびくしながら入っていくと予想以上にステージとの距離が近い。ドキドキしてきた。ここに大森靖子が立つのだ。ステージ正面にはテーブルと椅子が比較的並んで置…

本日も存在しました。約束ですから。

文学フリマに参加しました。

本日は第十九回文学フリマの開催日でした。文月悠光さんの詩やエッセイが載っているのがあるということを知って、ひとまずそれ目当てで参加することにしました。(ご本人も参加されていて、エスカレーターのあたりですれ違った際にうっかり見惚れてしまった…

購入した本

未読本がすぐ積み上がっちゃって、いざ読み始める頃にはなんでこの本買ったんだっけとなることが多いのでメモします。 ① 『ボードレール全詩集 第1巻』(ちくま文庫)*1 「悪の華」目当て。『悪の華』は角川文庫(堀口大學訳)ので二回読んだんだけど、そん…

詩は生きることであり、個とは表現である。

やがてわが二十三歳の冬、家産の没落を告げて、遊学の費は絶えた。働きながら学業を続けよう意慾は、すでに大学の講義から得るものを失つてゐたので、何んの未練もなく絶ちきつた。明日から私は何をして自活しようか思ひ当たらなかつた。《ようし! 詩を書か…

世界一やさしいメールを無力化するもの

本当はね。 本当の本当はね。 世界はあなたのことを愛しているよ。 あなたの周りの人々も。 あなたの周りのお人形たちも。 あなたは知らないだろうけど。 あなたは決して信じないだろうけど。 だから愛しい人、 あなたが幸せでいられますように。 あなたが世…

薄暗い教会で、

ピアノの弾き語りをやりたいなあと思った。どこかに借りれる教会はあるのかな。異空間性が高ければ高いほどいいな。人通りがないとか、森の中にあるとか、そういう場所。ピアノはまだ弾けないんだけどね。映画みたいにピアノを自由に使わせてくれる教会なん…

はじめまして

何もかもが終わってしまったときに、そこに立ち現れる世界に、はじめましてと言いたい。まるではじめから何もなかったように、はじめましてと言いたい。そしてそれはいまでも構わない。 すべてを終わらせることは自分だけでもできるだろう。まったく新しい世…

ぼくであるために

結局ぼくはぼくにしかできないことをやりたい。それだけがやりたい。余計なものは削ぎ落としたい。いまはノイジーな詩をうたうこと以外が余計なものに見える。ぼく以外の価値基準による良し悪しはもはや関係ないし、ぼくにしかできないことがやれているのな…

691-700

691 半孤独誓ってチャチな憂鬱だ 692 鉄棒に不幸の手紙はまわるかな 693 移調する雨天中止の片時雨 694 追想の上をうろつく犬を飼う 695 からっぽの旅に旅する詩集かな 696 ひらがなになりてはあしとつけかえる 697 忘れたい感情線を這うひつじ 698 合鍵は秘…