1421 バベルの図書館30 逃げてゆく鏡

ずっと読もうと思っていた。たぶんパピーニの名を知ったのは辻潤からで、そこから計算すると、かれこれ10年くらいは経過している。辻潤の「にひるの漚」*1にパピーニの自叙伝が引用してあった。*2 よほどお気に入りだったらしく、パピーニを指して私の親友と…

ルーヴル美術館展 愛を描く

# 作品 40 マリアーノ・ロッシ『聖アガタの殉教』(1785-86年頃) 画面中央の上半身を裸にされている女が聖アガタ。キリストに身を捧げ、異教の神に従うことを拒んだために、乳房をひきちぎられたという伝承があり、その準備をしている場面が描かれている。ア…

260 バニシング・ポイント 4Kリマスター版

『バニシング・ポイント』*1は、権力への反抗と現実に敗北する者たちを感傷的に描いた多くのアメリカン・ニューシネマ*2とは一線を画し、作品全体の乾き切った精神性に加え、遡行と跳躍によって非直線的に描かれる【時間】という概念の表現を革新、かつてな…

1419 不思議の国のアリス

古書店に50円で置いてあったのを見つけたので購入。ここ最近はぜんぜん本が読めなかったのでリハビリを兼ねて読んでみたところ、これがなかなか良かった。いろんな翻訳が出てると思うけど、これは「新しい世代が時代のずれによる抵抗を感ずることなく読める…

1376 虚無思想研究 第一巻・第一号

■循環論証の新心理概要(1) 古谷栄一公理哲学に対する反論というか、対立する立場ですよという姿勢を見せているだけの文章で、論の中身についてはまだ何も書かれていない。 ■ふらぐめんた 武林無想庵非常に良かった。辻潤が自分に似ているといった通り、同…

1375 オーレリア

■統合失調症のような連想の飛躍が多くあるようだ。たとえば57ページあたりにもひとつある。喧嘩の制裁にはいろうとしたができなかった場面で、たまたまそのとき通りがかった労働者が息子を抱えていたということから、その労働者をキリストをかついだ聖クリス…

1374 ムッシュー・テスト

■小説というには奇怪な作品。ムッシュー・テストという特異な精神性の記録として読む他ない。ムッシュー・テストは「すべてが可能でしかも何もしない」でいるのを最上だと考える尊大な男だ。この男がヴァレリーの内面の理想だったようだが、その感覚には覚え…

螺旋階段36

もはや何が敵なのかが分からない。

個人日誌2022/04/20

ここ最近は精神医学事典*1をちびちび読んでいる。書名では事典となっているが、エッセイ集と言った方が近い。今日は [結界] の項を読んだ。著者が、40過ぎの引きこもり男性の家を訪問した時の話だ。 その家ではコンロではガスの火が小さく燃えていて、あらゆ…

個人日誌2022/04/19

まだ何の分別もない子供が積み木を組み合わせるような無邪気な戯れとして語と語を癒着させていく遊びをそろそろ再開しようかと思ってクリスタルメメントを読み返した。思ったよりもたくさんつくってあった。それに思ったよりもちゃんと自分の目に嬉しいもの…

個人日誌2022/01/01

銭湯で湯に浸かっていると上方の窓から刺す光が湯煙と弱視とによって神秘的な色を帯びて、いまここにこうしていることが思い出の中なのだという感じがした。 関わっている時間が長ければ長いほど重みが増してくるのはどんなことでも同じで、現実が重くなるの…

個人日誌2021/08/22

自分を軽くしよう、という意識がある。 ただ生きているだけで、積み上げることを是とする空気を感じるが(技術、実績、貯金など?いろいろ)、その空気にあえて抵抗しようという意識はない。ただ、積み上がりそうな気配を感じると、バランスが悪いよねくらい…

個人日誌2021/02/12

個人的な関心に立ち返るたび、余計なことばかりしてきたように感じる。関心外のことに気を取られないようにすることが意外に難しい。本当ならすべてを擲ってでも選ぶべき道があったんだけど、そうすべきタイミングでうまく身を委ねることができなかった。あ…

個人日誌2021/02/11

詩人はおそらく人生の外を生きていることに自覚的な人種のことなのだろうと思う。ぼくが詩人というときの詩人はなにかしら象徴主義的な気質を持っている気がする。 生まれてから死ぬまでを一般的に人生というが、詩人の魂はそれ以前の「永遠」としか形容でき…

個人日誌2021/02/09

現代詩手帖*1を読んだ。ある対談が収録されていて、それがひどく不愉快だった。いまの時代にこのたとえが通用するのか知らないが、深夜番組で面白かったのがやたら人気になってゴールデンに移動してつまらなくなった時のような感覚があった。隠キャのための…

個人日誌2021/02/08

昨年から食事のタイミングでフルハウスを観ていた。全8シーズンを昨日ようやく観終わった。今日からその続編(フルハウスの29年後)であるフラーハウスを観始めた。フルハウスはまだぼくも子供だった頃に実家で目にしたことがあったけど、ちゃんと観ていたわ…

個人日誌2021/02/07

今日は朝から天気がよかった。コーヒーを飲みながら外をうろついて、最終的に駅前で日向ぼっこをした。気持ちよかった。 駅前にはいろいろな人が通った。音楽を流してダンスを披露するパフォーマー、父と娘くらいの年の差があるパパ活気味のカップル、ぼくと…

個人日誌2021/02/06

先日ドラッグストアで買い物をしたら今週末まで使える割引券をもらった。250円分使えるからなにかお菓子でも買おうかなと思っていた。今日行った歯医者で「デンタルフロスを使っていきましょう」ということを言われたので、どうせ行くんならということでそれ…

個人日誌2021/02/05

最近シーシャがうまく作れないと思っていたが、ミックスがおかしかったようだ。 キャラメルのフレーバーを買ってからずっとキャラメルバニラミルクをやっていた。失敗続きだったから昨日はぜんぜん違うミックスを作ってみた。それはうまくいった。 この場合…

個人日誌2021/02/04

昨日に引き続きユリイカを読んだ。東京03の飯塚という人と坂元裕二が対談していた。その冒頭になんの断りもなく東京03のコントの台本が3本載っていて、なんだこれ唐突に始まったけど坂元裕二の脚本なのか?などと思いながら読んでいたら、内容が普通に面白…

個人日誌2021/02/03

緊急事態宣言が延長された。それに合わせてぼくの在宅勤務も延長された。 今日もユリイカ*1を読んだ。ユリイカは毎回なんらかの文化にスポットを当てて特集を組んでいる。漫画家とか映画監督とかそういった創作者が多いように思うが、その特集の周辺にいる人…

個人日誌2021/02/02

昨日の夜に養命酒を飲んでみたら悪夢を見て目が覚めた。いろんなところに飛び回ってバリバリ働いてる父親が珍しく帰ってきて、服を着替えながら近くにいたぼくに「もっとしっかりしろ」みたいな話を一方的にしている最中にボールが飛んできて、父親の頭に当…

個人日誌2021/02/01

今日はなにも書くことがないなあと夕方くらいに思った。時間があっという間に過ぎた。今日はというか、今日もという感じがした。今日もというのは、月曜日がいつも空虚になっているような気がしたからだ。とはいえ、平日はいつも労働で潰されてしまうので、…

個人日誌2021/01/31

予定通り部屋の片付けをした。平日よりも早起きなくらいの時間に起きて部屋中のものを引っ張り出して、それをまた戻した。マスクをつけながら動き回ってたせいか、窓を全開にしていたにも関わらずむしろ暑かった。床に敷いていたござを剥がしたりカーペット…

個人日誌2021/01/30

今日は部屋の片付けをしようと思っていたのだが、他にやりたいこともあって、全部書き出してみたらとてもできそうにないので、片付けは明日やることにした。 ランチを食べに行ったカフェは臨時休業だった。でも近くにあったカフェがとてもよかった。そこは立…

個人日誌2021/01/29

■夢 ドンキで買い物していた。ドンキだから店内に物がごちゃごちゃ置いてある。店員も客もたくさんいた。何か欲しいわけでもないのに狭い店内をうろうろしていた。 アイス売り場がやたら長かった。その奥の行き止まりから右方向に肉がずらっと並んでいた。そ…

個人日誌2021/01/28

やけに寒いなと思ったら雪が降ったらしい。降ってるところをぜんぜん見なかった。夜にちょっとだけ外に出たのだけど、そのときには雪はまったく残っていなかった。降ったと言っても少しだけだったんだろうな。今日は本当に寒かった。 日中はずっとフレッド・…

個人日誌2021/01/27

■夢 かなり眠いなか朦朧とした意識のなかで見た夢を懸命にメモした。それを今日はここに書こうと思っていたのだけど、いま見たら てつがくかくせいざいもとかの とだけ書かれてあってとても怖かった。内容はもうほとんど覚えていない。言葉にして説明するに…

個人日誌2021/01/26

フランス世紀末文学叢書が届いた。しばらくはこれをひたすら読んでいたい。読むのが遅いから下手したらぜんぶ読み終えるまで半年くらいかかりそうだ。 スロージンも届いた。ぼくはぜんぜん酒に詳しくないんだけど、好きな酒はいくつかあって、これはその中の…

個人日誌2021/01/25

現代詩手帖2021年1月号*1を読んだ。実はこれまで現代詩手帖をまともに読んだことがなかった。かなり昔の号を古書で手に入れて加藤郁乎のところだけ拾って読むとか、気まぐれで買ってぱっと見で興味が持てない記事を飛ばしたりしていた。 まあでも今月から投…