個人日誌2021/01/24

フランス世紀末文学叢書*1を全巻購入した。大袈裟かもしれないが十年越しの夢が叶ったような気分だ。 これは"わかってる"古書店にはたいてい並んでいる。装丁から中身からすべてがかっこよくて見るたびにいいなあと思っていて、気づいたら十年くらい経ってい…

個人日誌2021/01/23

外が寒かった。それに雨も降っていた。所用で外出した以外はずっと家にいた。『エレファントマン*1』がよかったので、同じデヴィッド・リンチ監督の『イレイザーヘッド*2』を観た。さっぱりわからなかった。観賞後に解説動画を確認した。子供を作りたくない…

個人日誌2021/01/22

■夢 会社の金が横領された。社長の耳に入ると、すぐに緊急で全社員が集まることになった。会社の作りはなぜか小学校みたいになっていて、集まるのは体育館だった。体育館に向かう途中に渡り廊下があった。その手前で社員の財布が山積みになっていた。この財…

個人日誌2021/01/21

『賭博者*1』読了。ドストエフスキーは実在の人間の群れの特徴をひとつの類型として見抜く鑑識眼と、それを各瞬間各状況の個人として描くのがうますぎる。面白さっていうのはそういうところに表れるんだろう。 それだけ多くの矛盾を同時にかかえこんでいられ…

個人日誌2021/01/20

ドストエフスキー『賭博者』*1を読んでいた。めちゃくちゃおもしろい。話の筋自体は取り立てて珍しいものでもないし、たぶん登場人物がてんやわんやしてるってのが単純によかったんだろうな。 ぼくの場合、行き過ぎた思想を持ってたり、ある種の覚悟が感じら…

個人日誌2021/01/19

「頂き女子」なるものの存在を知った。借金があるといっておじさんから金を頂くという活動をしている人たちのことらしい。ツイッターで流れてきたのを見て、「まーた人間がやってんな」と思った。 適当にググったら増田の記事が出てきた。現状「頂き女子」と…

個人日誌2021/01/18

面白いことが何もないなあと思う。たぶん本当はそんなことはない。昨日みた『エレファントマン*1』も『ウィッカーマン*2』も面白かった。たぶん明日か、そうでなければ数日後にはまた何かしら面白いことが見つかるだろう。 でも実際のところ昨日とか明日とか…

個人日誌2021/01/17

曲がかっこいいのはただのフックで、曲がいいことに引っかかったリスナーが、もっと注意して聞くようになると、その唯一性、その一回性の魅力*1に気づく。ここまできたらもうファンと言って良いと思う。すくなくともそれ以前にリスナーが対象に抱いていた距…

個人日誌2021/01/16

■夢 夢を見た。仕事に遅れそうで焦っていた。時計を見るたびに、言われていた集合時間の認識が変わった。「なんだ余裕じゃん、焦る必要なし」とか「あれ、もうこれ間に合わないじゃん」とかいう考えがくるくる入れ変わるのを繰り返していた。目が覚めたら整…

個人日誌2021/01/15

『トゥルーマン・ショー*1』を見た。ブルトンの「ガラスの家」とか、とあるインターネットユーザーの「真実に見られている」話とかと絡めて何か書きたかったけど、今日はもう眠い。昨日夜更かししたのがいけなかった。ツイキャスを聞いていて、朝の4時過ぎに…

個人日誌2021/01/14

詩を書いていた。書いていて片翼が取れたような不自由さを感じた。前はもっと奔放な言葉の使い方ができていたような気がする。ここのところずっと朝が異常に眠くて起きるのがしんどい。睡眠不足のせいで頭が鈍ってるのかなと思うこともあるけど、そういうこ…

個人日誌2021/01/13

『瞬間と持続*1』には、バシュラールの1932年の著書『L'intuition de L'instant.』(瞬間の直観)と、1939の論文『Instant poétique et instant métaphysique.』(詩的瞬間と形而上学的瞬間)が収録されている。 この「詩的瞬間と形而上学的瞬間」が、ぼくの…

個人日誌2021/01/12

「傘と包帯」に載せる序文を書いていた。これができないと次をやるイメージがわかない。しばらく「傘と包帯」をやれていなかったのは単にぼくのやる気が出なかったせいだが(結局はやる気次第としか言えない)、ほかにもいくつか考えられることはある。自前…

個人日誌2021/01/11

バシュラール『瞬間と持続』*1を第二章まで読んだ。文章がちょっとわかりづらくて一度ですっと入ってこないこともあるが、語られている内容に関しては満足している。 バシュラールはこの本で「時間とは瞬間である」とするルプネルの思想を、ベルクソンの「持…

個人日誌2021/01/10

前々からついったーで拝見してすごい人だなあと思っていた人たちがいるのだけど、ついさっき、ああこの人たちとは読書量がぜんぜん違うんだと思った。彼らに比べればぼくなんかは子供の遊びみたいなもので、ぜんぜん世界が狭い。単に数読んでればいいわけで…

個人日誌2021/01/09

歯医者に行った。数ヶ月前に虫歯を治療してもらってからずっと通っている。まだいろいろとやることがあるらしい。抜く予定になっている親知らずもまだ歯茎の中に眠ったままだ。 今日は五十代くらいの女性が見てくれた。先の尖った器具で歯をガリガリと削り、…

個人日誌2021/01/08

■ 夢を見た。なんだかいろいろ見たけど最後に見た夢のインパクトが強くて、他の話はあらかた忘れてしまった。覚えてるところだけ書く。 パズルゲームで5×5を一回で消すにはどうすればいいかを考えていた。5個並ぶと消えてしまう。4つ積み上げた状態の塊を4列…

個人日誌2021/01/07

ぼくの世界は偽物だ。普段は忘れていられるが、詩を書こうとすると嫌でも思い出される。からっぽの、何もない空洞を覗き込んでいるような気分になる。本物の世界を創らないといけない。 本物の世界ってなんだよって話なんだけど、要するにぼくが自分で信じら…

個人日誌2021/01/06

いやな夢をみておきた。メモを取る気にもなれなかったから内容はぜんぜん覚えていない。たぶん薄いミニワンピを着た露出の高い服を着た寒そうな女を脱がしたら真っ黒な空洞が開いていて、驚いてとびのいたら視界の端から写真が焼けるように焦げて欠けていっ…

個人日誌2021/01/05

仕事はじめだった。休みの間は読書をして、映画を見て、詩を書いて、ブログを書いて、それでもまだ余裕があった。今日は夜からのスタートだからやっぱり時間がない。とはいえ、今日もひとつ形にできた。 今年は詩を投稿しようと思っている。しばらく投稿はや…

個人日誌2021/01/04

ブレイク詩集 ブレイク詩集*1を読んだ。 ウィリアム・ブレイクについてはいろんな文献で目にしたことがあったので、読む前から勝手なイメージを抱いていた。もう少し詳しくいうと、ニーチェ的な反禁欲主義をソロー的な素朴さで表現した詩人だと思い込んでい…

個人日誌2021/01/03

屋根裏部屋に隠されて暮す兄妹、腹を上にして池の底に横たわる百五十匹のメダカ——脈絡なく繋げられた不気味な挿話から、作家中田と女たちとの危うい日常生活が鮮明に浮かび上る。性の様々な構図と官能の世界を描いて、性の本質を解剖し、深層の孤独を抽出し…

個人日誌2021/01/02

散歩に出たら、足元に鳩の死骸がとつぜん発生した。気づいていなかったがずっとそこに落ちていたのだろう。驚いて一瞬とびのいてから、でも本物かなと思ってちょっと近づいて観察してみた。血はどこにもついていなかった。肢が変にねじれてるとかいうことも…

個人日誌2021/01/01

日記を書き始めようと思います。学校の人はこの事を知らないので、嫌な事とかも全て書くつもりです。 ◆ ◆ ◆ 新年を迎えた。昨年の終わりごろから、書くという行為がぼくにとってなにかしら重要なことに思えてきたので、その一つの形式としてまた日記を書き始…

雑感

etc

ぼくはもっと孤に閉じこもった方がいいのだと思う。外の世界にはほとんど興味がない。世の中には生産することが尊いとする価値観が漠然と根付いているように思えるのだけど、ここでいう生産とは資本主義が余剰価値の多寡で富を計算することの謂いであって、…

キリンの洗濯

二日に一度この部屋で キリンの洗濯をするキリンは首が長いので隠してもついつい窓からはみでてしまう 高階杞一詩集*1を読んだ。裏表紙の紹介文に「ユーモアとペーソスで未知なる世界へと軽やかに誘う代表作『キリンの洗濯』」という記述があるのだが、『キ…

実相

etc

公園のベンチに座っていたら、子供がボールを追いかけてぼくの前を通り過ぎた。子供はボールを拾い、振り返って向こうに投げる。ぼくはそのボールの行方を何気なく目で追った。ボールを受け止めたのはぼくだった。ベンチに座っているぼくはぼくのままだ。そ…

無心のダイナミズム

『無心論』が語るのは、「心は無い」という一点である。心が実体としては存在しない。あるいは、認識する・生活する……など、そうしたすべての「はたらき」が重要なのであって、その先に実体としての<心>を求めてはいけない。したがって、「あらゆる出来事…

塩田千春展:魂がふるえる

#20190913 @六本木 森美術館 「塩田千春展:魂がふるえる」を見てきた。美術館を巡るのは嫌いな方ではないが、実際に赴いてみても宣伝に使われている写真以上の体験ができるような展示は稀で、人の多さに疲れて帰ってくるだけみたいなことも少なくない。この…

20190810さめほし個展「ショートケーキのうみで目が覚めたら」

#20190810 @新宿眼科画廊 さめほしさんの個展「ショートケーキのうみで目が覚めたら」を見てきた。昨年10月の「One Scene」*1ではすこし違うタッチに挑戦していたが、今回は従来のさめほしさんらしい作品に仕上がっていた。 色彩感のよさ これまでは流体的な…