かさほた6

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詩は理解されるものではありません。記憶されるものです。わからないけど好き、なぜか思い出してしまう、また読みたくなる。人もまたそうでしょう。「わからないけど好き」は、いくらでも成立する。 傘と包帯、今回で6回目です。4/20に公開しました。ぜひ読…

減四季録

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「減四季録」という名前で日記を始めました。 note.mu noteで日記を書こうと思い立ったのが今月の初めでした。それでマガジンを作成してみたところ、公開前に審査が入るということがわかった。つまり審査が通らないと公開できないということだ。記事を更新す…

バカにでもわかる暗号の時代

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一般的な了解として文章は一階で読むもののようだ。二階とか三階で書かれた言葉は一階からの反省を伴った視点がないと簡単に破棄されてしまう。言葉は過去ではない。目の前に再生されてすぐに消える。だから消える前に掴まなければいけない。掴んだそれを積…

20190123小野祐次個展「Vice Versa ‒ Les Tableaux 逆も真なり−絵画頌」

2019/1/23(水)に六本木ShugoArtsにて小野裕次の個展「Vice Versa ‒ Les Tableaux 逆も真なり−絵画頌」*1を見た。 展示されているのは、絵画を自然光の下で撮影するという手法で作られたタブローシリーズだ*2。自然光ということで、室内においては現代の人工…

20181222上妻世海トークショー「制作へ/から」

2018/12/22(土)に京都で上妻世海『制作へ』刊行記念トークショーがあったので参加してきた。なぜわざわざ京都まで行く気になったのかというと、Twitterで+Mさんがインタビュアーを務めると告知していたからだ。上妻さんのことはそれまで知らなかったのだけど…

AIおばさん

2018/12/03 今朝通勤中に違和感のある出来事に遭遇した。ぼくがいつもの道を何気なく歩いていると前方の何もない道の途中におばさんが突っ立っていた。おばさんはなぜかぼくの方を見ていた。いつから見ていたのだろう。同じ姿勢でじっと見ている。気にしてい…

手を振る

2018/11/30 帰りのバスの中でラジオを聴いた。ぼくがぼんやりと無駄に歳を重ねている間に世の中は便利になっていて、もはやリアルタイムじゃなくても聴きたいラジオ番組が聴けるのだ。それでここ最近好んで聴いている神田松之丞という講談師の番組*1の1125放…

映画みたい

2018/11/29 バスが遅れてきたせいで仕事に遅刻しそうになった。急いでいたから警備室の前を素通りしたら、人間がものすごい剣幕で飛び出してきて「バッジ(社員証)見せてください!」と叫んだ。映画みたいでよかった。普段これほど真に迫った人間にお目にか…

基本的人権

2018/11/28 エリクソンの今日の分を終わらせて、シーシャを吸いに行った。途中トイレに行くと店員が中で作業をしていた。タイルの張り替えをしているらしい。中断させてしまったので、出る時に「すんませんもういいですよ」と声を掛けると「いいよいつでも使…

殺人的傾向のある患者

2018/11/27 最近「ミルトン・エリクソン心理療法 <レジリエンス>を育てる」*1という本を少しずつ読んでいる。 今日は「殺人的傾向のある患者」のところを読んだ。質問の力についての記述が主なトピックだった。「質問する人が会話の主導権を握る」だとか書い…

涙液の記憶としてのノスタルジー 〜さめほし個展「OneScene」に寄せて

彼女は何を見ているんだろう?これが昨日ぼくが新宿眼科画廊に足を踏み入れて真っ先に抱いた疑問だった。 昨日(2018/10/26)からさめほしさんの個展が始まっている*1。新宿眼科画廊のMスペースに展示されていて、中の様子は外からでも見える。入り口がガラ…

めちゃくちゃ久しぶりにガガガSPの卒業を聴いて

www.youtube.com *1 夢をありがとうって歌詞が最後にあるんだけど、そこまで聴いてこれすげえなって思った。男は、特に恋愛経験の浅い男は完全にこれ。ただ普通に生きてるクラスメートをやたら担ぎ上げてとんでもない夢を見ちゃうってやつ。そのクラスメート…

かさほた5

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傘と包帯第5集*1を公開しました。 今回はこれまでよりも読まれてるようだ。さめほしさんの絵がかわいい。この絵はデータだけじゃなくて実物の作品を購入したので、物体としていま目の前にある。iMacの前からこちらを見上げている。 寄稿してもらった岩倉さ…

変わっていく

これはなにもいつまでに自殺しますとか医者に余命を宣告されていますとかそういう具体的な話じゃないんだけど、ここ最近もうじき死ぬんだよなあという感じが強くなってきている。根拠はひとつもない。だからより強く感じられるのかもしれない。最近はずっと…

夏の骨格 万引き家族編

2018/08/04 「万引き家族」を見てきた。(ネタバレがどうとか面倒なので以下すべて文字を反転させています。) 血の繋がりのない家族の日常とその帰結、大枠はそんなような話だった。虐待されている子供を近所で拾ってくるのもそれが家族として受け入れられ…

夏の骨格 会話編

2018/08/02 「そういうことを言ってほしいんじゃない」と同居人に怒られてしまった。詳しい内容は省くけれど、言われた通りにしないといけないと思ってつらくなるのだそうだ。そういうつもりで言ってるんじゃないからそんな風に思わないでくれと言ってもどう…

夏の骨格 末節骨編

2018/08/01 今日は体育館でバスケができる日だ。こないだ発見して目をつけておいたのがやっと当日を迎えたというわけだ。わくわくして中に入ると懐かしい光景があった。意外にもバスケ部に所属していたことがあり、一年生のなかで唯一、三年生が引退するとき…

夏の骨格 口蓋骨編

2018/07/31 家に帰ると本が届いていた。現代詩手帖とユリイカと詩と思想の最新号だ。ユリイカの「今月の作品欄」にnoteでフォローしているResuさんの作品が掲載されていた。なんでぼくの詩は掲載されないのだろうと考えたところ原稿を送っていないからだとい…

夏の骨格 大腿骨編

2018/07/30 投稿用の小説について具体的に考え始めた。とりあえずなんのアイデアもないながら期限は二ヶ月しかないのでざっくり計算して一ヶ月毎日一万字書いて残りの一ヶ月で推敲すればいいだろという安易な計画で、わざわざ電車に乗って良さげなコワーキン…

夏の骨格 肩甲骨編

2018/07/29 頭痛にやられて何もできないでいる内に日が変わってしまった。同居人に「きみは頭痛持ちだもんね」と慰めの言葉を掛けて頂いたのだが、ぼくは金持ちとの格差に愕然としてしまった。どちらも生得的な性質であって選択権は与えられていなかった。こ…

夏の骨格 胡蝶骨編

2018/07/28 試験的にiAWriterというエディタを使い始めた。しばらく愛用していたBywordの挙動が久しぶりにおかしくなったからだ。発生しているのは、最大化するとファイルの上の部分が一部見えなくなってしまうという事象なのだが、最大化しないで使うという…

夏の骨格

2018/07/27 13時過ぎに退社した帰りに小説のリングシリーズ(リング/らせん/ループ/バースデイ)をまた入手しようと思ってブックオフに行ってみたら、らせんとバースデイしかなかった。肝心のリングがないのでとりあえずその場で購入するのはやめた。鈴木光…

散らばったわたしの破片で傷つくひとがいる。*1 屋上の縁に立って飛び降りようとしていた女生徒がやっぱりやめて屋上から出ていく姿のあとに、これを読み上げてエーシーなどと流したら完全に公共広告機構じゃんと思った。*2 冬日さんのブログは前から読んで…

かさほた4

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傘と包帯 第四集 *1を公開しました。 ブログには書いていなかったけど、昨年の4月から「傘と包帯」というウェブ詩誌をやっています。だいたい季節ごとにやれればいいかなと思っていましたが、昨年は4月、8月、12月と公開できました。4ヶ月ペースです。今年も…

散花集の花序

散花集が100個できました。 記念に散花集の正体をすこし書いておきます。 花は咲いたままではいられません。人間はやがて死を迎えます。存在はそれまでの一時的なものです。確かにそこにいると思える人物もやがて昔そこにいたという空想に成り代わります。人…

日記9:髭

髭が邪魔だ。毎朝出社する習慣が無くなった今となっては髭を剃るのも億劫になってしまった。別段濃い方でもないが一々剃るのは面倒だ。こんなものは寝て起きたらつるんと無くなっていたらよいのだ。一応寝る前にはそのように髭の神様にお祈りしているが一向…

日記8:歌とミザントロープと散花集

夜。月が充血して人間が興奮している中、お嬢さんとカラオケに行った。aikoとかXとかおよそまともな成人男性なら避けて通るようなのを歌ったけど、高いところも予想より楽に出た。腹筋が付いたのかもしれない。じつは12月あたりから軽く筋トレをしていたのだ…

日記7:金と女

あけましておめでとうございます。いままで考えたこともなかったが、この挨拶は年末を無事に乗り越えて一安心という意味合いの挨拶だったらしい。年末に「よいお年を」と挨拶をするのも、うまく年末を乗り越えましょうねという意味なのだそうだ。*1 こんなこ…

夢日記1:猿と同居

猿と同居していた。ふと気づくと猿はたまたま近くに置いてあった電気シェーバーに興味を示し、恐る恐るいじっていた。 ぼくはいつの間にか夢の中にいた。何人かの男女のグループで樹海を探検していた。昔の同窓生のようだった。ぼくはその中の一人と付き合っ…

日記6:虫のいい話

人類の精神を蝕む労働という名の合法ドラッグにまたしても手を染めてしまった。人間が精神と肉体とを併せ持つ生命体であると同時に生と死を乗せた方舟である限りにおいて、労働が適法状態にあるのはとんでもない異常事態であり非常に危険であることは論ずる…