風格を身につけよう『私の奴隷になりなさい』

 『私の奴隷になりなさい』という映画を観た。

 これは累計35万部を超えるというサタミシュウ原作のシリーズ一作目を映像化したもの。原作は文庫になって平積みされてたあたりで読んだことがあった。文庫化されたのが2007年のことらしいので*1、5年ぶりくらいにこの作品に触れた計算になる。懐かしいという感覚はあまりなかった。文章と映像とではやっぱり印象も違うみたいだ。

 内容は、主人公<僕>が、転職した職場で先輩の香奈に一目惚れをした。果敢なアプローチはことごとく失敗に終わり、逆に「今後も続けるようならそれなりの対応をします」と釘を刺されてしまう。そんなことを言われた後で、突然彼女から「今夜セックスしましょう」とメールが届く。その後も突然メールが送られる一方的な関係が続き、やがて彼女の秘密を知る。主人公はその秘密から一時は目を背けながらもその中に飛び込んでいく。そんなストーリー。

 最終的に、主人公である<僕>は香奈との関係を築けるのか、というのがこの作品のみどころでしょうか。

 個人的に<先生>がどういう生活を送っているのかが気になる。お金は十分に持っていて、風格もある。それなのに仕事をしている素振りがまったくない。日中も香奈と会っているシーンがあるため、サラリーマンではなくて自由業の人なのだろうとは思うが、それが具体的に何の仕事かは全く触れられていない。そういった人間性を推量するための情報はほぼないのだけど、とにかく<先生>という呼び名がしっくりくる。風格ってまわりの人間に示す印象に多大な影響があるなあと思った。

 ぼくも人格の優れたご主人様に見初められる素敵な奴隷としての風格を身につけたい。*2

*1:サタミシュウ - Wikipedia

*2:全幅の信頼をおけるご主人様に考えを預けることは、それ自体が快楽である。