日記1:かなしい僕はウソつきの詩人になる

13時前に起床してカーテンを開けるとありがたい太陽の恵みが馬鹿みたいに照っていて、思わず座り込みねこに擬態して日向ぼこりをしてしまった。日向ぼこりは春でも夏でもなく冬の季語であるが、たしかに冬の季語だったと今日はじめて実感した。

珍しい人から電話がかかってきた。出張でこっちに来るというので連絡をくれたようだ。ぼくは自分から連絡することが苦手だからこういう連絡は嬉しくなる。曲を作っている人だったけど、いまも作っているようで安心する。詩を書いているというと歌詞を書いてくれと頼まれた。いいものを書こうと思う。

今日は何か文章を書こうと思っていたけれど脳の隙間をねずみがうろちょろしていて、何もまとまらない。諦めて本に手を伸ばしてみるがうっかりすると文字がみみずになって理解可能性の外側へ這い出してしまう。

Twitterを眺めていると19年前の今日、Pierrotの「MAD SKY -鋼鉄の救世主-」が発売されたという情報が流れてきた。そのTweetに貼ってあったPVを再生して、これまでの19年間を嘘にした。鋼鉄の救世主が「必要のない景色だけを消滅させ」て、ぼくは中学生になった。2分20秒後、ぼくはどうしようもない形だけの大人に戻った。

どこに出すわけでもない短歌ができた。たいした出来でもないがイマージュとしては面白いのでここに載せて供養する。
<見ざる言わざる着飾る首のないマネキンたちの地下遊戯会>

頭が痛い。