631-640

631 朝が降る箱庭街に蓋をする

632 病みつきが絶望化女の舌を飼う

633 陽の光よくある地獄会を閉ず

634 夏が咲くアナザー桜の夢ひとつ

635 蜜百合が絶対王政に死をねだる

636 開花なき花泣く中で揺れる朝

637 奇瑞なる光としての水が落つ

638 空蝉が半透明を志す

639 月の地下夢遊状の樹ここに建つ

640 紅がさす地下めく秋の日を拾う