興味の発掘

 にわかにタロットに興味が出てきた。公園の片隅にただならぬ空間を作り出してタロットカードを広げている自分の姿を幻視してしまったのがきっかけだ(歩いていたら突然見えた)。

 そもそもオカルトには興味があった。奇を衒ってとかレトリックとしてとかでなく素直に魔術師に憧れている。現代社会においてそれはバカバカしいとされるのでこれまでは遠慮していたのだが、人生をぶち壊すことを決定してしまったため、そういった遠慮などは一切しなくてよくなった(そもそも誰に遠慮していたのか今になってみるとよくわからない)。

 遠慮していたとはいえ興味は常にあった。それで、ジャック・ブロス、アレイスター・クロウリー、世界魔法大全、W.Eバトラー、カバラ、秘術、数秘術、タントラ……などなど延々とメモが残っている。なんとなくそっち側かなというような単語やら著作者やらひたすらメモっていたのだ(専門用語は意味もよく分かってないのだがこのメモを見るとテンションが上がる)。この中のキーワードを頼りに書籍を漁ろうと思う。

 これでタロットと魔術を学ぶことになった。

 加えて音楽にも興味をそそられている。最近はヴィヴァルディがお気に入りで延々ベルリンフィルの「四季」(協奏曲第1番〜4番)を聴いている。アルビノーニ*1の「オルガンと弦楽のためのアダージョ」とコレッリの「クリスマス協奏曲」(合奏協奏曲第8番)も収録されているので、これらも一緒に聴いている。このアルバムを聴くとバロック音楽は良いなあとしみじみ思える。バロック音楽と呼ばれるものはこれ一枚しか持ってないけれど。

 このヴィヴァルディが「写譜屋が写譜を行っている間に、協奏曲の全パートを作曲できる」(Wikipedia 参照)などと豪語していたらしく*2音楽理論を頭に叩き込めば他人に自慢できる(とヴィヴァルディが思う)くらいのスピードで作曲できるのかなと思ってしまった。そうすると好奇心がむくむくと育ってきて「曲としておかしくない譜面」は慣れれば意外と早く作れるのでは?と思った。やってみたいと思った。

 これで音楽理論やらなにやらも学ぶことになった。忙しい。

 ニーチェも読みたいのだし時間が足りなさすぎるように思うのだけれど、何よりも心配なのはこの興味がいつまで続くだろうかということだ。一ヶ月後には全部すっかり飽きてしまっているかもしれない。いわゆる熱しやすく冷めやすいタイプなので、半月もつかどうかすら怪しい。退屈は虚無感への入り口なので、できるだけこの興味が長引いてくれるといいなあと思う。

*1:Wikipediaを見るとレモ・ジャゾットによる偽作のようだ。

*2:写譜屋が写譜を行っている間というのが時間にしてどれくらいのことを言っているのか知らないので無邪気にすごい!と言えないのがつらいところである。