個人日誌2021/02/06

先日ドラッグストアで買い物をしたら今週末まで使える割引券をもらった。250円分使えるからなにかお菓子でも買おうかなと思っていた。今日行った歯医者で「デンタルフロスを使っていきましょう」ということを言われたので、どうせ行くんならということでそれも一緒に買うことにした。デンタルフロス小林製薬の「糸ようじ」という商品が有名で、歯と歯の間に糸をねじ込んで無理やり汚れを取るという野蛮な道具なのだけど、いままで自分が使うことを想定していなかったのでどういう観点で選べばいいのか見当もつかなかった。ハムレットか良牙かくらいの感じで散々悩んだ末に「売り上げNo.1」みたいなことがパッケージに書いてある商品を選んだ。当初の予定だったお菓子も見たけど、どれもパッとしなかったからお菓子はやめることにした。そこのドラッグストアではレジ前で余計な対応がいつも入る。アプリでバーコードを読み込んでもらうとか、読み込んでもらったらアプリを操作して別のバーコードを読み込んでもらうとか、「袋いりますか」「いりません」のやりとりをするとか。そうこうしている内に割引券の存在を失念したようで、せっかく買ったのに割引券を使わずに出てきた。その足でシーシャ屋に入り、シーシャを吸いつつ『全員くたばれ!大学生*1』とかいう、浮かれた大学生の頭上から自分たちの尿を撒き散らそうとする美しい青春漫画を読みながら興奮して「自意識の病……これはドストエフスキーだ!地下室の手記だ!」などと口走った辺りで、割引券を使わなかったことに気づいた。薄暗いシーシャ屋を出ると、まだ沈み始めたばかりの太陽が眩しかった。出てすぐのところにメイドが看板を持って暇そうに立っていた。そこを通り過ぎる瞬間、メイドにはおよそ似つかわしくもない威厳のある声が「おまえも早く大学生になって無闇にマウントを取りなさい」と言ったのが聞こえたような気がした。