個人日誌2021/02/12

個人的な関心に立ち返るたび、余計なことばかりしてきたように感じる。関心外のことに気を取られないようにすることが意外に難しい。本当ならすべてを擲ってでも選ぶべき道があったんだけど、そうすべきタイミングでうまく身を委ねることができなかった。あまりにも認識が甘く、あまりにも臆病だった。それがなかったらすべての存在が空洞になってしまうはずのものを見送ってしまった。それに関してはもはや手遅れだ。

それが手遅れだと気づいた頃に文学と出会った。いま考えるとうまくできてんなという感じだが、実質的に「世界をとるか自分をとるか」であるような選択は、実はいまもあって、というかずっとあったんだけど見逃し続けていて、ずっと見逃し続けているとまたある時期に手遅れだということに気がつくことになる。「世界をとるか自分をとるか選びなさい」ってはっきり出てきたらたぶんそんなに難しくないはずだ。自分がいない世界はどう考えても無なのだから、答えは分かりきっている。でも試験みたいに明確に問題が提示されることもないし、はっきりと制限時間が表示されることもない。なんとなく後回しにして、気づいたら終わってる。だいたいぜんぶそういう感じなんだろう。

すべてを手遅れにしていくっていうのもべつにありだと思うし、何をやってもやらなくても最後にはきれいに終わるわけなので、結果だけみたらそう深刻になることでもないんだけど、それでも社会に血を吸われたゾンビでありたいとはさすがに思わないから、なるべく関心の抜け道だけを通るようにしたい。